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QCM小話 TとKの会話

T

今日はQCMについてお話したいと思います。
QCMは、水晶板が一定速度で振動することを利用した非常に簡単な原理の分子間相互作用解析装置です。振動とは言っても振幅がnmレベルで非常に小さいので目では観察できません。振動する水晶板、厳密に言うと、水晶板の電極(センサー)部分で分子間相互作用を解析できるのは、水晶板の厚さが変化すると周波数が減少するからです(sauerbrey式)。変化した厚さ、つまり、分子が水晶板に結合すると分子の数に応じて平均膜厚が微妙に変化していきます。結果的には結合重量と周波数変化量が比例関係にあるので、分子の結合量がわかります。弊社の装置の場合、計算上ですが、水素分子がセンサーにびっしり結合すれば、検出できる程度の感度を有しています。


QCMは精密な天秤みたいなものなんですね。
ではQCMはどのくらい小さな分子まで測定できるのでしょうか?

K

T

そうですね、分子量約120のシステインというアミノ酸1個の大きさの分子が金電極への結合は確認できましたよ。しかし、前にも述べたように分子量1の水素だって検出できるはずなのに、なぜその応用例が報告されないか?ですが、現実的に相互作用を解析する場合には、2種類の分子間の相互作用を解析することになります。その場合、固定化分子(ホスト分子)の大きさとそれに反応する添加物(アナライト)の大きさが重要で、例えばIgG抗体分子(分子量150万)に医薬品(分子量300前後)の結合は検出困難になります。それは、単位センサー面積当たりのアナライト分子結合数が少なくなるからです。このような組み合わせの測定には工夫が必要です。我々の実績として、食品中の毒素として有名なデオキシ二バレノールを抗体との競合反応を利用した測定系があります(2011年5月日本食品衛生学会)。簡単に言えば、検出するアナライトの重量を相対的に大きくなるように実験企画すれば、うまくいくということです。


かなり複雑な系の測定も出来るのですね。
そのQCMの感度はどのようにして決まるのでしょうか?

K

T

水晶板は、薄くスライスすれば周波数は増大し、周波数が高いほど検出感度が高まります。しかしながら、水晶板を薄くすると、割れやすくなって操作性が困難になります。弊社のセンサーは27MHzの水晶振動子を用いていますが、水晶板の厚さは約60μmです。
ある意味では、水晶板の感度(振動数)を上げるということは、非特異的なシグナルも増大しますので、最も重要なことは、如何に非特異反応を下げられるかの実験手法の確立にあると思います。


QCMにはフロータイプとバッチタイプがあるようですが、
イニシアムはなぜバッチ系の測定系にこだわっているのでしょうか。

K

T

我々は、分子間相互作用実験を多くの研究者で身近に利用できることを願って、安価で操作性が容易な装置を目指しました。そして、バッチ法にこだわって10年が過ぎましたが、フロー系装置のメリットは解離反応を直接観察できる点と自動化が容易である点でしたが、まずはキュベット(バッチ)系のメリットを追求しました。 誰しもが、フロー系を要求していた(いや、今もそうかもしれません)けれども、バッチ系のメリットも明らかになってきました。

装置システムの点から述べれば、①ばっと使えるシステム②装置形態がシンプルで故障しない(10年間でモーターが2台ほど摩耗しただけです)、③消耗品はセンサーのみで、その他のメンテナンス交換部品はほとんどなく、ランニングコストがかからないことでしょう。

実験系の観点からは、①長時間計測が可能な点、②光照射等、測定環境を整えられる点でしょう。反応中の反応液の状態を観察したり、測定中の溶液をサンプリングできる点もメリットです。

さらに、データの信頼性の点では、①物理的洗浄が可能であることと、②攪拌効率が高いことでしょう。センサーを洗浄といっても溶液を流すだけでは不十分な場合が結構あることがわかっています。


メンテナンスが楽な事とランニングコストがあまりかからない事は
とても魅力的ですね。

でも、なんだか実験系の構築は大変そうですね?

K

T

大丈夫です。
QCM業界においては、万全なサポート体制を整えていると自負しております。

購入後の測定プロトコルの相談など、今後もユーザーのバックアップに力をいれ、皆さまを応援していきたいと思っております。


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